手塚治虫の漫画を無料で読む方法|全巻なら図書館、アプリは数話まで

結論:全巻を無料で読めるのは図書館だけ

手塚治虫の漫画を、最初から最後まで無料で読める合法的な手段は、公共図書館で紙の本を借りることだけです。手塚治虫漫画全集や手塚治虫文庫全集を置いていない館でも、購入のリクエストやほかの館からの取り寄せを受け付けていることがあります。

電子で、いつでも無料で読めるのは、試し読みや、アプリで1日に数話ずつ読める範囲までです。秋田書店のサイト「チャンピオンクロス」の『ブラック・ジャック』は最初の3話まで。有料の読み放題のKindle Unlimitedでも、追加料金なしで読めるのは第1巻だけという作品が中心です。その先は、展覧会や周年に合わせた期間限定の無料公開を待つことになります。

手段無料で読める範囲条件
公共図書館(紙の本)全巻利用者登録。所蔵がなければリクエストや取り寄せ
チャンピオンクロス『ブラック・ジャック』は第3話まで、ほかの手塚作品は2〜3話ブラウザで読める。以降は1話70コイン
各ストアの試し読み各巻の冒頭ストアごとに範囲が違う
マンガワン配信中の作品を少しずつ毎日回復する「ライフ」で読む。いまの配信作品はアプリで確認
Kindle Unlimited第1巻だけの作品が中心。『火の鳥』『ブラック・ジャック』(チャンピオン版)は5巻まで月額980円の有料の読み放題。対象は入れ替わる
Amazon Kids+カラー版など漫画7タイトルの各1〜3巻(2024〜2025年のラインナップ)子ども向けの有料の読み放題
期間限定の無料公開第1〜5巻や、特定の話期間が分かっている例では2週間ほど。告知は公式サイト「虫ん坊」
手塚治虫マンガ電子図書館最大で手塚治虫漫画全集の400巻(契約で違う)導入している大学・学校・図書館の利用者だけ

読む順番としては、試し読みで合うかどうかを確かめ、図書館で全部読み、手元に置きたい作品だけを買うのが、いちばんお金がかかりません。買うときの版とストアの選び方は手塚治虫の電子書籍はどこで読める?にまとめています。

手塚作品を公式アプリとサイトで無料で読める範囲

チャンピオンクロス(秋田書店)

『ブラック・ジャック』を連載していた『週刊少年チャンピオン』の版元、秋田書店のマンガサイトです。アプリを入れなくても、ブラウザで読めます。

『ブラック・ジャック』は241本が載っていて、最後は第234話「流れ作業」です。話数の付いていない回も含めて数えているため、本数のほうが多くなっています。無料なのは第1話から第3話まで。第4話からは1話70コインかかります。

ほかの手塚作品も、最初の数話は無料です。

作品無料で読める話数
ブラック・ジャック3話
どろろと百鬼丸伝3話(ほかに、待てば無料になる話が24話)
ミクロイドS2話
やけっぱちのマリア2話
アラバスター2話

『どろろと百鬼丸伝』は手塚治虫の原作をもとに士貴智志が描いた作品で、手塚本人の『どろろ』とは別物です。原作とアニメの違いはどろろのアニメと原作の違いで比べています。

チャンピオンクロスでは、『ブラック・ジャック』の特定の話を2週間だけ無料にすることがあります。2025年9月から2026年5月までに4回ありました。

期間無料になった話
2025年9月26日〜10月9日第90話「弁があった!」と、続く「白い目」
2025年12月26日〜2026年1月9日第38話「めぐり会い」
2026年3月23日〜4月6日第184話「刻印」
2026年5月1日〜5月15日第170話「銃創」

大阪のあべのハルカスでの「ブラック・ジャック展」など、各地の展示に合わせて公開されてきました。告知は手塚治虫公式サイトのニュース「虫ん坊」に出ます。

『ブラック・ジャック』は単行本の版によって入っている話が違い、どの1版を買っても全話はそろいません。続きを買うときは、先にブラック・ジャックは何巻?全8版の違いを見ておくと、買い直しをせずに済みます。

マンガワン(小学館)

小学館のマンガアプリ「マンガワン」では、2018年8月20日から手塚作品の配信が始まりました。最初に入ったのは『アドルフに告ぐ』『奇子』『火の鳥』『ブッダ』『ブラック・ジャック』『三つ目がとおる』の6作品で、800話以上を毎日更新していたそうです。

マンガワンは、毎日午前9時と午後9時に回復する「ライフ」で、1日8話まで無料で読めるアプリです。ライフで読める作品なら、お金を払わずに少しずつ読み進められます。

ただし、2018年に始まった手塚作品の配信が、いまどこまで続いているかは公式の告知では分かりません。「火の鳥 無料 マンガワン」で探している人は、アプリで作品名を検索して、載っているかどうかを先に確かめてください。

LINEマンガとebookjapanの話単位配信

LINEマンガとebookjapanでは、手塚作品の一部を1話ずつ買えます。2024年に『ブラック・ジャック』『新選組』から始まって、毎月のように作品が増えてきました。

2026年6月には『ユニコ』『人間昆虫記』『ロック冒険記』など、9月には『リボンの騎士』(なかよし版)『人間ども集まれ!』『ぼくのそんごくう』が加わっています。LINEマンガの話単位の作品は、アプリでしか読めません。

無料で読める話があるかどうかは、作品ごとに作品ページで確かめてください。『リボンの騎士』は、Netflixのアニメ『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』の原案です。アニメとの違いはリボンヒーローが別物に見える理由で比べています。

読み放題で読める範囲

Kindle Unlimited

Amazonの有料の読み放題「Kindle Unlimited」(月額980円)にも手塚作品は入っていますが、第1巻だけという作品が中心です。2026年9月30日の時点では、『ブラック・ジャック』の手塚治虫漫画全集版も、第1巻だけが対象でした。2025年7月には、手塚治虫の制作現場を描いた『ブラック・ジャック創作秘話』の第1巻が加わっています。

例外は3作品だけです。2026年10月7日の時点では、『火の鳥』(手塚プロダクション版)と『ブラック・ジャック』(少年チャンピオン・コミックス版)が1〜5巻、『鉄腕アトム』が1巻と13巻まで対象でした。それでも全巻には届きません。

対象の作品は時期で入れ替わります。Kindle Unlimitedは、手塚作品を全巻読むための手段にはなりません。第1巻を読んで、続きを買うかどうか決めるのに使ってください。どの作品が何巻まで対象かは手塚治虫のKindle Unlimited対象で一覧にしています。

Amazon Kids+

子ども向けの読み放題「Amazon Kids+」(プライム会員は月額580円)では、2024年10月に「2024-2025年ラインナップ」として、手塚作品と関連書籍の9タイトル23冊が発表されました。漫画は、色を付けたカラー版の『ブッダ』『火の鳥』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』、『ブラック・ジャック』の特別編集版、『七色いんこ』『ジャングル大帝』の7タイトルで、それぞれ1〜3巻です。残りの2冊は、描き方の本『手塚治虫のまんが専科』などでした。2026年のいまも同じ顔ぶれかは、アプリで確かめてください。

子どもに手塚作品を読ませてみたい家庭なら、すでに契約しているついでに使えます。ただ、どの作品も途中の巻までなので、手塚作品を読むためだけに契約するほどではありません。

図書館で手塚作品を全巻無料で読む

公共図書館の紙の本

最初から最後まで無料で読みたいなら、図書館を使ってください。探すのは、手塚治虫漫画全集(講談社、全400巻)か手塚治虫文庫全集(講談社、全200巻)です。『火の鳥』『ブッダ』『ブラック・ジャック』のような代表作なら、ほかの出版社の単行本や文庫で置いている館もあります。

近くの図書館の所蔵は、図書館のサイトの蔵書検索で調べられます。複数の図書館をまとめて調べたいときは、全国の図書館の蔵書を横断して検索できる「カーリル」が便利です。

手元の図書館に無くても、読む手段はあります。購入のリクエストや、ほかの図書館からの取り寄せ(相互貸借)を受け付けている館があります。全集のどちらを探せばいいか迷ったら、手塚治虫文庫全集と漫画全集の違いを見てください。文庫全集のほうが冊数が少なく、全集に入らなかった作品まで入っています。

手塚治虫マンガ電子図書館

手塚プロダクションは、図書館向けに「手塚治虫マンガ電子図書館(TEZUKA OSAMU MANGA DIGITAL LIBRARY)」を出しています。主に手塚治虫漫画全集の400巻を扱うサービスで、8つの言語の翻訳版もあります。どこまで読めるかは、導入した先の契約によって違います。

契約するのは図書館や大学などで、個人では申し込めません。東北大学では日本語400巻・英語62巻・中国語166巻を、同時に何人でも読めます。ただし使えるのは学内からだけです。北九州学術研究都市の学術情報センターも2022年に導入しましたが、こちらも図書室内と決まった学内ネットワークからの利用に限られます。

大学生や教職員なら、まず自分の大学の図書館のデータベース一覧を見てください。入っていれば、契約している範囲を無料で読めます。

国立国会図書館

国立国会図書館のデジタル化資料は、家のパソコンから読める「個人向けデジタル化資料送信サービス」が知られています。ただ、漫画はこの送信の対象から外されています。電子書籍の市場に影響が出ることを理由に、送信が保留されています。

国立国会図書館で手塚作品を読むなら、東京本館や関西館に出向いて館内で閲覧することになります。デジタル化済みの資料は、館内の端末で見る形です。雑誌に載ったまま単行本に入らなかった話を読みたい人には、ここが最後の手段です。

期間限定の無料公開

電子で巻をまとめて無料で読めるのは、記念のキャンペーンのときだけです。これまでは、連載の周年や展覧会に合わせて開かれてきました。

期間きっかけ無料になったもの
2023年11月24日〜12月7日『ブラック・ジャック』連載50周年少年チャンピオン・コミックス版の第1〜5巻など11冊。Kindle・ebookjapan・LINEマンガなど18のストアで
2025年1月27日〜2月10日『ブラック・ジャック創作秘話』チャンピオンクロスで全44話
2025年3月「火の鳥展」の開幕『火の鳥』黎明編から望郷編まで。LINEマンガなどで

期間が分かっている例では、どれも2週間ほどで終わっています。見逃したくなければ、「虫ん坊」の電子書籍の告知をときどき見てください。セールで安く買う時期の目安は、手塚治虫の電子書籍の記事の「電子セールの傾向」にまとめました。

怖い話や封印された話は無料で読めるか

封印作品や、単行本から外された話は、無料どころか読める手段そのものが限られます。『ブラック・ジャック』の「指」「植物人間」「快楽の座」は、いま新刊で出ているどの単行本にも入っていません(「指」は、のちに「刻印」として描き直されています)。元の形で読むには、国立国会図書館などで掲載号の雑誌を探すことになります。どの作品がなぜ読めないのかは手塚治虫の封印作品で書きました。

封印まではされていない怖い作品なら、図書館の全集で読めます。どれから読むか迷ったら、手塚治虫の怖い作品の順位を参考にしてください。

目的別の使い分け

やりたいこと使うもの
とりあえず1作読んでみたいチャンピオンクロスの『ブラック・ジャック』3話、各ストアの試し読み
1作品を最後まで読みたい図書館の全集か文庫全集
子どもに読ませたいAmazon Kids+のカラー版、図書館の単行本
大学生で、まとめて読みたい大学図書館の手塚治虫マンガ電子図書館
手元に置きたいセールのときに電子版を買う
単行本に入っていない話を読みたい国立国会図書館で掲載号を探す

図書館で読んで気に入った作品だけを買えば、何百巻もある手塚作品でも出費は抑えられます。反対に、家にある古い全集を手放したい人は、手塚治虫の全集の買取相場を見てください。

参考